2020年1月、新型コロナウイルスが世間を賑わせ始めた頃、僕はパキスタンにいた。
パキスタンの雰囲気はいつもと変わらない。
ただ、僕にとっては少し違う今回の買い付け。
パキスタンを発ったのち台湾に行くことが決まっていた。
2016年にニュージーランドで出会った友人に、2017年屋久島で再会した時以来の再会again.
2014年にカナダで一緒に働いていた友人も合流。
放浪が生活だった頃の気持ちを懐かしく感じたのを覚えている。
その日はカナダで出会ったサニーと飲み明かし、今後のお互いの希望を語った。
同時に危うく豚さんのア〇ルを食べさせられる所だった。
その夜からは、屋久島に遊びに来てくれたアニータの家に泊まらせてもらい、台湾LIFE。
とりさんの手、タコの口、カエルなど多くの初体験を済ました。
この頃が2月上旬。
観光地に興味のない自分は、台北の古着屋を訪ねた以外はアニータ、妹、ここ(パグ)と過ごしあっという間に帰国の日。
空港に到着すると、まさかのフライトがキャンセル。
コロナを意識しはじめた。
帰国後数日すると、タンの絡む咳、高熱が数日続いた。
コロナの症状に対する情報もまだ少なく、とりあえず自主隔離を続け、結果咳は2週間以上続いた記憶。
はっきりしないが、コロナさんであった可能性は高い。
この頃にパキスタンまで広まっていき、仕入れに行けなくなる形は予想できていなかった。
時が経つにつれ、コロナはあっという間に世界へ。
アパレルも大きく打撃を受けている。
ここでは古着屋に焦点を当てていきたい。
基本的にオリジナルの商品を持たない古着屋は海外仕入れに頼る所が大きい。
現地にバイヤーを常に置いている大手はなんとか仕入れを行うことができるだろうが、個人の古着屋には大打撃。
多くの古着屋が今後について不安をもっているはずだ。
放浪を繰り返し、ようやくタイトルに戻ってきた。
生き残る古着屋。
数百とパターンはあるのだろうが、自分が可能性を感じるのは3タイプ。
1. ヴィンテージに圧倒的に強い店舗
コアなファンに支持され続けているヴィンテージショップは強い。
ここは替えのきかないジャンルであり、ヴィンテージが枯渇するまでは無くならないと思う。
実は世界で1番ヴィンテージ古着があるのは日本だと言われている。
その理由は以前書いた記事があるので、興味のある方は是非。
世界的ヴィンテージショップ『ベルベルジン』や『マービンズ』
しっかり知識を持っていた所で、このカテゴリーの席は空いていない。
何十年と仲間を世界に作ってきた人達が抑えており、1番厳しい戦場。
MUSHROOMというお店のヴィンテージも凄い。
2. オーナー、バイヤーがファンを持っている
多くの古着屋が目指して行かなければいけない場所がここだと思う。
今回のコロナショックでBASEやメルカリに参入した古着屋は多いだろう。
ただ、メルカリで権威性を放っているのは、意外にも古着屋ではなく、古着転売という副業に取り組んでいる人たちだ。
映える写真の撮り方、商品説明部分に検索ワードを散りばめたり、アクセスユーザーの多い時間に合わせての定期的な値下げ等、メルカリにはメルカリでの戦い方がある。
彼らの仕入れ元はセカンドストリート、キングファミリー、国内卸、上級者になってくると長期休暇を利用してタイ仕入れをしている。
利益をあげる為にはじめた副業者は、売り方をしっかり考えているように思う。
ただメルカリでフォロワーを伸ばしているアカウントの価格は笑ってしまう程高い。
自分で選べなくなっている人が増え、ネームバリューのあるメルカリでフォロワーが多いアカウントというのは、一定の信用があるのであろう。
古着転売とtwitterで検索すると、『いくらで仕入れて、〇〇〇〇円で売れましたー』というツイートをよく見かける。
さらには『〇〇〇〇のスウェット』を〇〇〇〇円で売り切るなんて凄いですー!!
なんてやりとりも。
その価格に見合った価値がないと分かっていなければ出ない発言。
ただ彼らの大きな弱点は実際のファンは誰もおらず、そのアカウントが無くなっても誰も困らない点。
一方ゆーみん/きうてぃのような仕入れの動画をYoutube発信しており、商品の物語が見え、多くのファンを抱える人もいる。
またyutoriという古着屋は、購入者がそこで買うメリットを設計している。
古着屋は顧客のつきやすい閉じたコミュニティーだと思うので、既にファンの多い所は生き残れると思う。
3. 古着と合わせてオリジナルブランドに力を入れていく
今後古着屋が1番怖い部分は、やはり各国の水際対策が1年以上変わらず、海外での仕入れができず、ついには在庫のない状態となることだと思う。
その為にも収入源として、もう1つの柱は欲しい。
1から洋服作りのできる人に憧れても仕方ない。
数多くの古着に触れてきた中で、多くの『これいい!』に触れてきた経験を活かさない訳にはいかないと思う。
1で紹介した超コアなヴィンテージファンが多いお店でないのなら、古着というよりも、感覚で好きというファンが多いセレクトショップ的要素の強い古着屋も多いはず。
そんな気持ちに応えることができれば、チャンスはあるのではないか。
googleで国名、都市名、『tshirt manufacture』なんて検索すれば、工場は出てくるので、あとはデザインを持って、旅人になれるかだと思う。
ちなみに自分はこの線で走っていきたいと考えている。
次回の仕入れは1部ロックダウンも続いている中なので厳しいと思うが、とりあえず少しずつそっちの方向へ。
こんな世の中でECやーネットやーってなっているが、どうやら僕は実店舗を構える流れで進んでいる。
勿論不安だが多分こっちだと思っている。
テレワークが進んだり、フリーランスが増える程コミュニティーは必要とされてくるはず。
はてはて多くの人にとって服とはどんなものになっていくのであろうか?
いくつか仮説が出てくる。
zoomでは上半身での映えが重要になり、ビッグプリント、メッセージ性のあるプリント、クスっとしてしまうプリントなどが人気が出たり、パンツは売れなくなったり?
外出というものがもっと特別なものになり、個性的なファッションを好む人が増えたり、ダウンはあまり売れなくなったり?
自分が提供できるもので勝負しつつ、ニーズもしっかり考えていきたいと思う。
大それたタイトル付けから入り、書き始めの設計が甘かったと痛感しているが、このままで。
そのままで。