【古着仕入れ】何故パキスタン仕入れを選んだのか?

古着関連

こんにちはHIROTOです。http://twitter.com/@vintagehandsup

この記事では、自分が古着の仕入れ先としてパキスタンを選んだ理由、今後の展望について発信していきます。

1. 仕入れの前にパキスタンってどんな国?

パキスタンと聞くと、多くの方がまず治安を気にするのではないでしょうか?

自分自身、2ヶ国でのワーキングホリデー、屋久島での4ヶ月、インドでのバックパック生活3ヶ月半と、多少ふらふらしてきた人間です。

そんな自分も初めは多少の不安を抱えて入国したのを覚えています。

両親には未だに打ち明けられずに、タイへの買い付けと伝えています。

ざっくりとしたイメージをつかむ為に、少し紹介していきます。

パキスタン・イスラム共和国

【人口】2億770万人 

【国土面積】79.60万㎢  日本は37.79万㎢

【公用語】ウルドゥー語

【宗教】97%がイスラム教     ※wikipediaより

ここからは自分が過去3回、計2ヶ月弱の滞在から感じることを。

先程も書きましたが、自分はインドを3か月半バックパッカーとして旅していました。

インドとパキスタンは隣合う国(1947年まではイギリス領インド帝国)であり、外国人である自分から見ると物凄く違う国という感じは受けません。

両国ともスパイスの効いたカレーベースの食事がメイン、見た目でもはっきりと判断するのは、彼らから見たアジア人同様に難しいです。

手で食べます。トイレも同じスタイル(理屈的にはあのスタイルの方が亜菜琉は綺麗になるかと)

チキンビリヤーニとオクラ&ゆで卵 ライス系はスプーン付き。
アフガニスタンで食べられている大きなナンとひよこ豆のカレー

そしてお互いの国をあまり友好的に思っていない人が多いと感じます。

治安はどうなの?

こちらは外務省の海外安全情報(コロナウイルスの影響前のもの)

アフガニスタン及びカシミール地方は最高レベルとなっています。

その他首都のイスラマバード等の一部がレベル3となり、多くの地域はレベル2です。

人口の増加が著しい国の一つであるパキスタン。経済力とガバナンスではいいスコアをたたき出してはいるが、世界で7番目に治安の悪い国にランクインされている。一人当たりのGDPは1,307ドルであり、世界平均のおよそ10%の水準であるが、貧富の差が激しく、1日2ドル未満で暮らす貧困層は9710万人と推定されており、国民の半数を超えている。また、自然環境では世界一悪い国としてランクインしている。

MADAME RIRI より引用

ただ、少なくとも自分の肌感としては、特別大きな危険は感じないということです。

渡航にあたり情報収集しましたが、世界一周者のブログでもインドとの国境、観光地のフンザの情報くらいでカラチに関する情報は、ほぼ皆無。

それなりに不安を抱えたままの渡航。

インドと比べて大きく違うのは、ガソリンスタンドや銀行、デパートの警備員の方が銃を携行していること。

やはり銃というのはとても威圧的な存在で、どこかそわそわさせられます。

自分自身4年間の自衛官生活、それなりに長かった海外の滞在期間、真冬の野宿ヒッチハイクやインドでのバックパッカー経験が、パキスタンで仕入れを行うと決断することができた、大きな材料の1つではあります。

パキスタンの治安について多くの人が懸念することにあるのがテロ。

実際2018年は8件、2019年は6件のテロが発生。

テロのパンチ力

テロというのはとても人の気持ちを揺さぶるパワーワードかと思います。

例えば台湾で観光バスの横転事故で20名の方が亡くなったとの報道があった場合に、台湾への渡航を中止する方はどれくらいいるでしょうか?

恐らくあまりいません。

でもパリで小規模のテロがあり、5名の方が亡くなったと報道があれば渡航を中止する方が増えると思います。

リスク管理とあきらめの心

現地にて仕入れをしている時は、勿論日本で暮らしている時よりも気を張っています。

夜間も外出していますが、基本的には食事、または友人宅と宿の往復のみ。

クリケットを楽しむ若者たち

こんな時もあります(笑)

日本と比べて確率が高いのは間違いありませんが、どこでも事件、事故にいつ巻き込まれるかは分かりません。

テロよりも気を付けなければいけないのは、どこの国でもそうですが交通事故。

https://twitter.com/vintagehandsup/status/1223595691731247104?s=20

カラチの交通の様子。

このように、いいタイミングで渡っていく感じです。ルールは基本無いイメージかと思います。

自分なりにリスク管理をして、あとは精一杯生きるしかありません。

こんな車には流石に近づかない(笑)

2. 何故パキスタンを選んだのか?

自分の予想ですが、国内の古着屋の仕入れ先として1番多いのは未だにアメリカかと思います。

2番手はタイかなと。

アメリカにしなかった理由として、採算を取る自信が無かった事。

アメリカには成田⇔ロサンゼルスの往復チケット5万で行けます。

国土が広いのでレンタカーが必要で1日約3000円~

あとは宿と食事は日本よりやや高いはずです。

パキスタンは安くても往復9万円。

移動はバイクタクシーを利用しますが、5,6kmの往復なら180円程。

お客を乗せた状態での給油、そして給油しながらのチャイ(パキスタン、インドの国民的なティー)。最終的には到着します。

宿はwifi付きのエアコン無しで1000円くらい。

バックパッカー経験がないと、エアコンなしは不快に感じるかも。

自分がお世話になっている方はタイで仕入れていたので、タイという選択もなかなか濃厚でした。

ですが、YOUTUBEでも『タイ 古着仕入れ』と検索するだけでそれなりの情報は掴めます。

アメリカやタイに限らず、何年も前から通いそれなりに繋がりを作ってきた人ならまだしも、いきなりの新参者がワクワクできる環境はそこに残ってはいないだろうと考え、パキスタンを選びました。

ヴィンテージのアメリカ古着、ヨーロッパ物、軍物が世界各地にあるのは支援物資として運ばれたものです。

タイのバンコクに拠点を置く有名なサリム・ガンチさんはパキスタン出身。

そしてパキスタンにもアメリカ等からの支援物資が多く入っていることを知り、自分の興味はパキスタンに傾倒していきました。

良いものを仕入れてきたいのは勿論のこと、低賃金での労働者確保の為、中国やベトナムといった国に多くの企業が進出してきましたが、東南アジアも経済成長が著しく、新しい市場として今後インドやパキスタンに移っていくと想定されます。

その頃に色んな仲間がいたら心強いかなと思ったのも1つの理由です。

あとは単純なる冒険心(笑)

3. 実際に古着はあるの?

結論古着はあります。

日本人バイヤーに遭遇したことはありませんが、タイのバイヤーには何度か会っています。

彼らから買っている日本の方も少なくはないでしょう。

日本の古着通販の大手も入っているようです。

老舗の古着屋の名前も聞きました。

個人のネット販売でパキスタンに入っているのは、間違いなく自分だけだと思います。

どんな古着があるの?

自分が買い付けを行っているパキスタンのカラチには、少なくとも200~300程の倉庫があり、ベールのみでの取引、固定の顧客のみ、フリーで購入させてもらえる所とあります。

その中にも、子供服のみ、レディースのみ、スーツのみ、軍物のみ、と専門で扱っている所が多い印象です。

軍物のみ取り扱う倉庫

ごちゃ混ぜの倉庫

様々な倉庫がある中、気になった倉庫でひたすらピックするイメージです。

まだ新参者の自分は、40℃の中ひたすら体力勝負。

1日作業して、その日に集まったものを現地でお世話になっている方の所にストックさせてもらい終了という流れです。

サイトの色んな記事を整えたら、場所等もう少し詳しく発信していきます。

4. 相場はどのくらいなの?

仕入れをするには必ず知っておきたい相場の話。

勿論商品、各倉庫によって変わりますが

・Tシャツ 400円程

・シャツ 400円程

・スウェット 550円程

・パンツ  600円程

・アウター 500~1300円程

・ヴィンテージ 相場なし

例えばバブアーやバーバリーなんかは向こうの方も知っているので、もっと高いです。

バンドTなんかは、タイのバイヤーがそれなりに払うようで、合わない印象を受けます。

その倉庫の人の好み、知識量に大きく左右されるイメージです。

ヴィンテージは詳しい方が間違いなく勝率はあがります。

その知識分ラッキーパンチもおとずれます(笑)

このラッキーパンチの可能性が、タイやアメリカよりあるのではないかと思っています。

ここに輸出にかかるカーゴ代、成田到着後の税関でかかる費用(通関費、消費税等)、渡航費等の諸々の経費が乗ってくるイメージです。

4. パキスタン仕入れはおすすめか?

色々書きましたが、結論おすすめです。

理由としては、

ライバルが少ない

情報がない分、確実にタイ仕入れに比べて競合が少ないです。

治安という所も大きいとは思いますが。

・色々と戦闘力があがる

タイも英語のあまり通じない国ですが、パキスタン、特に古着倉庫の方には通じない方が多いです。

最低限のウルドゥー語(挨拶、数字、水等の必要不可欠な物)がもれなく刻まれる。

そしてインドに負けないくらい非日常の風景が待っています。その中で仕入れ先を見つけていくのは、それなりの達成感があります。

・今後に繋がりそう

何故パキスタンを選んだのか?でも書きましたが、パキスタンはこれから経済成長していく国の1つだと思います。

人口比率も15~29付近の人が1番多く、とにかく子供を良く見かける国です。

日本とビジネスをしたがっている人も多い印象で、前回の滞在では、カーペット、手術用の医療器具、ピンクソルトを輸出したいという人もいました。

また近いうちにパキスタンへ向かいますが、正直楽しみにしていません(笑)

今後も気ままに発信していきますので、宜しくお願いします^^

メルカリと合わせて僕が販売している、BASEについての記事も書きましたので、是非覗いてみて下さい。